太古、人間と自然はひとつだった。

太陽と月の満ち欠け。
波のリズムと月経のリズム。
人間は当たり前のようにその事を感じ
畏敬の念を払ってきた。

だが時が経ち
農業革命、産業革命、I T 革命と進むにつれ
人は次第にその事を忘れていった。

ただ、ふとした瞬間
太古の記憶が蘇る時がある。

それは森に入った時。薪をくべた時。川で口を濯いだ時。
自然と相対すると
無意識にその事を思い出す。

「自然と人間はひとつだ」

そういえば、都市に暮らすものにとって
 (暖炉でもなければの話だが)
自然と唯一の接点となるのは、水栓だと思う。

蛇口をひねり顔に水をつけた時、
ふと想いを巡らせてみる。
雨が大地をめぐり濾過され私を通り、海に還る。

水栓は、
人間と自然が一つに繋がっていることを教えてくれる
スイッチなのかもしれない。

CluB_A
後藤匠平 Shohei Goto

TVCM撮影用の仕様及び設置のため、ハンドシャワーを取り外すなど
本来の仕様・設置方法とは異なります。

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