60周年記念インタビュー 代表取締役社長 西岡 利明

10年後も、その先も。人々の生活に歓びを届け続けたい

創業60周年という節目の年を迎えた今、
10年、20年後の将来はどのようにありたいとお考えですか。

60周年は、当社にとって一つの原点回帰です。私どもが歩んできたこの60年という歴史を一つの区切りとし、もう一度自分たちを見直すために「SANEI」の頭文字一つひとつに意味を持たせました。Story、Amenity、Nature、Engineering、Innovation。それらを「Open,THE SANEI」というフレーズのもとにまとめています。蛇口の栓を開くという意味の「オープン」に、私ども「SANEI」を世界に向けて開示していくという「オープン」を重ねたものです。

私どもの商品は飲料水に直結しています。特に日本の場合は、蛇口から出る水がそのまま飲み水として使えますから、真摯なものづくりをすることはもちろん、心地よく出て、心地よく止まるという商品にレベルアップしていきたいと思っています。

では、具体的にこれからの10年、何を目指すかと言いますと、今まで私どもの商品をご使用いただくシーンで最も多いのは、一般家庭、すなわち戸建てやマンションの人が生活する空間でしたが、これからは住居以外…例えば、事務所ビルやアミューズメント施設、駅舎など、人が集まる公共の場、いわゆる非住宅の分野でも使われる存在になっていきたいと考えています。

使われるシーンのバリエーションが増えますので、それに合わせて商品ももっとバリエーションが必要になってくるでしょう。規格化・大量化によってコストダウンを進めていくのも一つの方法ですが、私は常々、皆さん一人ひとりの「こういうものが好きだ」という声に少しでもお応えしていきたいと考えています。

例えて言うなら、寿司屋の大将のような感覚ですね。お客さんの注文に応じて品を出すというようなものづくりが、コストアップにつながらずに実現できれば、これは本当に素晴らしいことだと思うのです。